学習性無力感

『学習性無力感・学習性無気力』

「どうせ頑張っても無駄だよ・・」と思考する心理

米国の心理学者であるマーティン・セリグマンが、1967年に提唱した心理学理論

学習性無力感は、長期にわたって、ストレス回避の困難な環境に置かれた人は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという見解があります。
別名、学習性絶望感ともいう。


研究内容によると、抵抗や回避の困難なストレスと抑圧の下に置かれた犬は、その状況から「何をしても意味がない」ということを学習し、
逃れようとする努力すら行わなくなるというものである。


 症状

人は長期に渡り、監禁されたり、暴力を振るわれたり、自分の尊厳や価値がふみにじられるような場面に置かれた場合、次のような徴候が現れるといいます。

1.被験者は、その圧倒的に不愉快なストレスが加えられる状況から、自ら積極的にその状況から抜け出そうとする努力をしなくなる。
2.実際のところ、少しばかりの努力をすれば、その状況から抜け出すのに成功する可能性があったとしても、努力すれば成功するかもしれないという事すら考えられなくなる。
3.ストレスが加えられる状況、何も功を奏しない、苦痛、ストレス、から逃れられないという状況の中で、情緒的に混乱をきたす。

人の行動は、良かれ悪しかれ何らかの学習の成果として現れてくるものである、という学習理論を土台とした理論である。
拉致監禁の被害者や、長期の家庭内虐待の被害者などの、行動の心理的根拠を説明する理論として、注目されている。